刀鍛冶です。

刀剣の製作・販売を行っています。

庖丁やナイフ等も制作・販売をいたします。

ご注文を多数いただいた場合は刀の制作を優先いたします。

タタラ製鉄をしていますが材料としての
鋼の販売は致しておりません。

砂鉄

 産地により砂鉄の色が違います。砂鉄の成分は鉄の酸化物のみではなく、良くも悪くも様々な元素が混ざっています。この混合物の色の違いが出来上がった刀にも現れます。
 色の他、焼入れによって現れる“鉄の働き”にも産地ごとの砂鉄の性質が大きく関わっているように作っていて感じます。

砂鉄

タタラ製鉄

 タタラ製鉄で得られた鋼をケラと言います。この製鉄段階で鋼の特性が大きく左右されます。
 特に炭素量(硬軟)と靭性(粘り)への影響が大きく出ます。近代製鋼の様に2000度を超える高温ではなく1400度程の低温で還元させて鋼を作ります。

刀鍛冶の仕事

 -折り返し鍛錬-

 タタラで得た鋼、鉧(ケラ)はノロ(スラグ)が混ざっており、炭素量や介在物も不均一です。鋼を練って全体の組成を均一化させることが一番の目的です。鋼を沸かしてノロや不純物を叩き出し、同時に折りたたむことで強度が増し、また多層になる事で粘度も上がります。

折り返し鍛錬

刀鍛冶の仕事

 -造り込み-

 硬く切れ味の良い皮鉄と折れない芯鉄を合わせる工程。 
 甲伏せという技法を使っています。他にも、まくり・四方詰め・本三枚など種類の多い工程です。

甲伏せ

刀鍛冶の仕事

 -焼き入れ-

 赤めて水に入れ急激に冷却することで鋼の結晶を斬れ味のよい構造へと変える工程です。
 この結果得られる刃文には自然の風景から着想を得たものをはじめ様々な種類があります。

弟子入りについて

入門

  私は現在、弟子を取る予定はありません。
 全国を見れば弟子を募集されている刀工もいるでしょう。

  弟子入りするには直接本人に会って話をするぐらいしか方法がありませんでした。今は全日本刀匠会が体験会や刀工の研修への参加、刀工への紹介等を行っているようです。

「  全日本刀匠会 弟子入り  」で検索してください。

  刀鍛冶になるには5年間の修行の後、刀工試験(8日間)があります。そこから独立するのにもっと苦労をします。独立しても売れるかどうかが大きな問題になります。

  自分自身の覚悟も大切ですが、誰を親方に選ぶかと言うことも大事です。親方探しは1人目で決めるのではなく、5人以上は刀鍛冶に会い、話を聞いてみてください。できれば3か月ぐらいは体験入門させてくれる人が良いでしょう。様子見もせずに入門するのはお互いの為にも良いことではありません。自分の親方になって今後長く付き合っていく人です。よく人を見てください。
  刀鍛冶は普通の人間です。軽く見て良いと言う意味ではありませんが特別視すると判断を誤るかもしれません。
  
 人として尊敬できる方を貴方の親方に選んでください。
 私も相談は受け付けます。
現代の刀工はSNSを使っている方が多数いらっしゃいます。検索してみてください。

カラスの色

 親方が白と言えばカラスも白、返事はハイだけ。
業種を問わず弟子入りと言えばよく聞く文言かと思います。

 カラスの皮膚が白いのか、骨なのか精神面なのか。他にも白い部分があるのか。誰にでも見える表面と、本質の部分では全く違うことがあります。しかし修行に入ってすぐにはそんな事は分かりようがありません。だからこそ疑問に思うことがあっても親方の言う事を信じて修行に臨むべきである、という意味だと思います。嘘を教えようとする親方はいませんから。

他人と関わり合いになる以上、双方に義務と責任が発生すると思います。
親方は面倒を見ると預かった弟子には技術を間違いなく教え真っすぐ進めるように指導するべきで、弟子や後輩とは決して自己満足の為に使ってはいけません。

弟子は親方と仕事に対して真摯に向き合い、教えてもらっている技術を受け取る努力をする。

 親方と弟子が、最低限これらのことを守っているという前提があっての言葉です。

技術を盗む

 伝統工芸の修行でよく言われていますね。修業とは親方の技術を見て盗むものだ、と。

 初めの数週間は仕事の流れを知る為に見学の期間がいるでしょう。
本格的に修業が始まっても見て覚えろとだけ言う親方は居ないでしょう。刀鍛冶は長い歴史があり、一日中刀の事ばかり考えています。それ程の事を弟子が理屈も分からず見ているだけで習得できる程度のものではありません。 

 鋼の性質、 作刀技術の理屈 、刀剣の姿、その他諸々を親方が教え、実際に練習をして技術を習得します。
私の考える修業とは、上記の事をこなし、失敗をする事だと思います。失敗することで正誤の違いが分かるようになります。またリカバリーの能力が身につくと共に、次回は成功する為の段取りを考えるきっかけになると思います。

 その上で親方の様に仕事の結果が出せない事があります。親方個人の持っている感覚には本人も気づいていないものがあり、出来て当然と思っている事は指導のしようがありません。気が付かないからです。
そのような事は弟子が親方の仕事から相違を見つけて習得する工夫をしなければなりません。
これが技術を盗むと言う事だと思います。

 理屈を教える、技術の指導もする、しかし弟子が盗まないと渡せないものもあります。
指導放棄に使う言葉ではありません。